はしがき

あなたの字をもっときれいに見せるには

あなたは次のどの悩みを抱えていらっしゃいますか?


・字が上手に書けないことが、何よりのコンプレックス。
・ハガキなんて出したら、私の字が相手の元に残っちゃうからイヤ。
・役所や銀行の窓口で手続きする時に、書いているところをじっと見られるのが恥ずかしい。


もしかしたら、「3つとも全部です!!」と、おっしゃる方もあるかもしれませんね。(^^ゞ

スマホやパソコンの普及により、手書きで文字を書く機会は減りました。
それでもやっぱり、手で字を書く機会はまだまだありますよね?

そして、機械で書くことが増えたからこそ、なおさら、手書き文字が目立ってしまうという困ったことも起きています。



今、この本を読んでいらっしゃるあなたは、おそらく、字に自信のない方だと思います。

そして実は、あなたが思っていらっしゃるより、びっくりするほど多くの方が、字にコンプレックスを持っておられます。
悩んでいる方は、意外に多いのです。
安心してください。あなただけではありません。

しかも、字にコンプレックスを感じていらっしゃる方の多くは、実はコンプレックスに感じるほど下手ではないことも多いです。

結論から申し上げましょう。

あなたの字のコンプレックスは、あなたが思っていらっしゃるより、早く解決できます。

やり方さえ間違えなければ、字のコンプレックス解消はあっという間です。
本書でお伝えすることをきちんと実行すれば、あなたは必ず字を書くことがイヤではなくなるでしょう。

「あんなにイヤだったのに、書くのが楽しくなった。」
「ハガキを出したくなった。」
「書くことが苦にならなくなった。」

などなど、私の教室に参加された方がそろって口にされるのと同じように。



そうです!
字を美しく書ける人は、特別な人だというわけではありません。
メチャクチャ練習しなければ、きれいな字が書けるようにはならないなんてこともありません。

美しく書ける人は、ただ、「ちょっとした感覚」を身につけているだけです。
それが、意識を変えただけで誰にでも、つまり、あなたにも身につけることのできることだとしたら、・・・どう思われますか?

あなたはどうなりたいですか?

さあ、ここで質問します。
あなたは、どうなったら嬉しいですか?



・楽して簡単に字が上手になれる方法があったらいいな~。
・短期で上達できたらいいな~。
・面白くない反復練習なんて辛いからしたくないな~。
・手本を見ずに、自分の力で上手に書けるようになったらいいな~。
・真っ赤っかに添削されて、けちょんけちょんに訂正されるのだけは避けたいな~。



そんな都合のいいことばかり言ってはいけないんじゃないかと思っていらっしゃいますね?
いいえ、大丈夫。
自分の望みなんて、思いっきり自分に都合のよいことばかり並べたっていいんです。
だって、ホントに叶うんですもの。


ただ、書道家の先生が書かれるような、芸術作品はそうはいきませんよ。
あれを書こうと思ったら、それこそ、書いて書いて書きまくる!
・・・という、体育会系のノリで、練習しなくちゃならない世界に入らないといけません。



でも、あなたのご希望は、そうではありませんよね?
字のコンプレックスから脱却したい。
という願いだけならば、比較的短時間で、あなたのお望みは叶います。


だって、
その二つでは、やることが全然違うのです。

ひたすら練習あるのみ!・・・では、ありません。



私の教室は、あなたが字のコンプレックスから脱却するために必要なことだけを、お教えする教室です。

だから、一般的な書道教室とは、全く異なるものです。

もちろん、ペンを持って字を書きます。当然、似たことはしていますよ。
でも、一見似てはいるのですが、本質的にやっている内容は、全く違う教室です。

ですから、教室の名前は「美文字教室」に変えました。

書道教室じゃなくて、私のは「美文字教室」。

美しい字に見せるワザを伝授する教室です。

私だからできることとは

私は長年書道をしてきましたけれど、結局、書道家にはなりませんでした。
※ここでいう”書道家”とは、「芸術家として書道をする人」という意味で使っています。

なぜなら、書いて書いて書きまくることが、できなくなったからです。

挫折を味わいましたが、でも幸いなことに、逆のことに気づいてしまったのです。

私から習いたい人たちは、決して、「書道家になりたい」わけじゃないということに。
その上、よく考えてみれば私すらも、最初は「書道家になりたい」なんて思って始めたわけじゃなかったということにも。


・ちょっとだけ、今よりキレイに書けるようになりたい。
・日常生活の中で書く文字を、もっと上手に書けるようになりたい。
・下手な字を見られて、恥ずかしい思いをしたくない。


という、今より見栄えの良い字を書けることだけが、私も含め、多くの人の望みなのだということに。

決して、最初に習おうと思ったきっかけは、書道家の先生方のような素晴らしい芸術作品を書きたいわけではなかった。
ということにです。

だったら私のように、結局芸術家にはならなかったけど、小学生たちには長年指導してきたぞ。
という者がお教えする方が、より良くコツをお伝えすることができるんじゃないかな?
ということに気づきました。



さらに、皆さんにお教えしている中で、気づいた事があります。

不思議なことに皆さんは、ご自分で思っていらっしゃるほど、字が下手ではない。
そんなにコンプレックスに感じなきゃいけないほど、マズい字ではない。
ただちょっと、きれいに見せるコツが分かっていなくて自信がないだけ。ということが多いということにです。


ですから、私の役割は、それらを指摘してあげて、普通の書道教室の先生は決しておっしゃらないようなアドバイスをしてあげるだけです。
それだけで、皆さん次々と笑顔になっていきます。


そんな教室、もしかしたら、あなたものぞいてみたいですか?

この美文字教室は、ちょっと変わった教室です。

残念ながら、私の教室ではお手本というものを用意しません。
あなたの字に赤ペンで訂正することも致しません。

その代わり、「どうやったらきれいな字に見えるのか?」という、知識をお伝えします。

ですからこの本では、それを自分のものに出来れば、それだけでも今までよりはかなりうまく書けるようになる。
という、魔法のような?夢のような?あるいは手品のような?、知識をお伝えします。



私は、昭和62年(1987年)に21歳の時、小学生の書道教室を始めました。35年前のことです。
それに比べ、大人の方にお教えするようになったのは平成27年(2015年)ですから、割と最近(?)のことです。

詳細は後述しますが、ここ数年、大人の方への指導を始めたことがきっかけとなり、「自信をもって字を書ける秘訣」に気づきました。

そしてその中でも特に、皆さんと関わる中で気づいたことは、
「コンプレックスに感じる心こそが、うまく書けない最大の原因である」ということでした。

・文字って、なんのために書くのか?
・文字があることでどんなことができるようになったのか?
・文字を読み書きできる私たちは、どういう存在なのか?

それらを考えてみることによって、コンプレックスの原因が取り除かれて行きます。
自信のなかった皆さんの目が、イキイキと輝いてきます。

その様子はまるで、花瓶の水がなくなってクッタリとしなびていたお花が、水切りしてもらってシャンと生き返った時のようです。


そんな具合に、字への自信なんてあっという間に身につきます。

どうぞ、あなたも本書を手に取って、最後までご覧くださいませ。

きっと、最後までお読みになったころには、あなたの中で何かが変わっているはずです。



また、人は誰でも、自分の欠点は目につきやすいという性質があります。
ですが、自信を持つために大事なことは、欠点に着目することではありません。

そうではなく、うまく書けているところ、そしてそれはどこがどう美しいのかに着目すること。
それによって、素早く美しい字を知ることができ、自分の字に自信を持てる自分になることができます。

字に自信のないあなたは、決して下手なのではないのですよ。
ただ単に、美しい字はどう書けばよいのかをご存じないから満足に書けないだけです。

ですから、それを知ること。まずはそれが最初の一歩です。


さあ、本書に巡り合えたあなたは、ぜひ、楽しんで字を書ける人になってください。
自信をもって堂々とペンを持てるあなたは、すぐそこです。



世の中に、書道教室はたくさんあります。
美しい字にあこがれて、美しい字を書けるようになろうとしている方のなんと多いことでしょう。

でも、残念ながら、書道教室へ通っても、なかなかすぐには自信をもって書けるようにはなりません。

なぜなら、書道教室の先生方は、書いて書いて書きまくる、体育会系的な書道をやって来られた方々が多いからです。

でも、そうではなくて、楽して簡単に知識だけ身につけて、字のコンプレックスから解放される。
・・・ということが、あなたの本当のお望みではないでしょうか?

先生が書いてくださったお手本を見ながら、ただ見て真似をするだけでは、時間がかかり過ぎるのです。
それに添削してもらったら、直すところが多すぎて、自信喪失してしまいます。

ではどうしたらいいのか?
美しい字の法則を知って書くからこそ、比較的カンタンに美文字へ手が届きます。



ですから、もしあなたが、お手本を見て反復練習することだけを望んでおられるなら、この本はお役には立てないでしょう。
目的が違いますから。

あなたがお手本を見て書くことに喜びを感じられるタイプの方でしたら、本書は、あなたのものではありません。

本書は、美しく書く方法を知って、自信をもって日常生活の字を書けるあなたを目的にした本です。


また、展覧会へ出すような芸術作品を美しく書きたいと思っておられる方のためのものでもありません。
芸術の書道を目指しておられるなら、それを教えてくださる教室は、全国どこにでもたくさんありますから、どうぞそちらでお学びください。



しかし、

どうやったらもっと美しく見える字が書けるのか?
日常生活の中での、普段使いの字を自信もって書くにはどうしたらよいのか?

例えば、お礼状を書いたほうがいいなと思った時にさっとペンを取り出して楽しく書けるあなた。
人前でも手が震えることなく、晴れやかな気持ちでのびのびと字を書けるあなた。

その実現を望んでおられるあなたには、ピッタリな本です。
どうぞこのまま先に進んで、お読みください。



さあ、心の準備はいいですか?
それでは、どうぞお越しください。

和のよろこびの、美文字ワールドへ!



もうあなたは、字のことだけでなく、あなたの人生そのものも、自信をもって進んで行ける人になれると信じています。

字に自信を持てるようになるのは、決して難しいことではありません。


繰り返しになりますが、もう一度言います。

あなたの字のコンプレックスは、あなたが思っていらっしゃるより、ずっと早く解決できます。

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